2世紀にも迫る歴史漠嵌。ロンジンの腕時計には、確かな“伝統(tǒng)”が宿る
2017年には創(chuàng)業(yè)185年を迎え盖呼、ますます老舗としての風格を高める『ロンジン』儒鹿。數(shù)多の賞を獲得し、著名な冒険者たちと積み上げてきた歴史が塌计、プロダクトには宿っている挺身。今に続く復(fù)刻腕時計ブームの流れを作った名門、『ロンジン』
昨今のウォッチシーンにおいて一大ムーブメントを築いているのが锌仅、アーカイブからの復(fù)刻章钾。かつてブランドの黎明期を擔ったモデルや、一時広く受け入れられながらもトレンドの波に飲まれ消えていった名品などから热芹、わずか1年間しか生産されなかった贱傀、などのマニアの琴線を刺激するモノまで、対象となるモデルはさまざまだ伊脓。そのルーツを問わず府寒、購入時からすでにヴィンテージの空気を纏う復(fù)刻時計は腕時計に風格と普遍性を求める大人の大好物魁衙。時代に流されないモデルを求めるなら一度チェックしておいて損はないカテゴリといえる。2020年も『オメガ』や『ブライトリング』株搔、『ボーム＆メルシエ』に『ラドー』など有名スイスブランドから次々と復(fù)刻モデルが発表剖淀。いずれも目の肥えた大人を満足させる出色の出來を誇っており、この潮流はしばらく続きそうだ纤房。そして何を隠そうこのブームの火付け役こそ纵隔、『ロンジン』により2009年のバーゼルワールドにて発表されたヘリテージコレクションであると考える。當時らしいレトロな顔立ちはそのまま生かしつつ炮姨、現(xiàn)代的な技術(shù)を注ぎ込んだ名品たちは捌刮、同年のバーゼルにおいて目玉の1つとなったことは間違いない。
『ロンジン』は1832年にスイス?サンティミエの地で立ち上がったブランドだ舒岸。創(chuàng)業(yè)時には他社よりパーツを購入し職人が組み立てるエスタブリール方式を取っていたが绅作、1867年には自社ブームメントを開発。歴代萬博にも名を連ね蛾派、1900年代前半には1,100人以上を抱える巨大メーカーへと成長した俄认。同時期において『ロレックス』に並ぶ“憧れブランド”としての地位を確固たるものとし、現(xiàn)代に至るまで確かなステータス性を有する名門として君臨し続けている碍脏。昨今においては梭依、各種スポーツシーンとの結(jié)びつきも強くアクティブなモデルも広くリリースされている。しかし人気の中核をなすのは典尾、ヒットを飛ばし続けている前述のヘリテージコレクションや役拴、機械式にこだわるマスターコレクションに見られるクラシック顔だろう。今記事においては钾埂、そんな『ロンジン』の“伝統(tǒng)“を體現(xiàn)する腕時計たちを紹介していこう河闰。
まずは『ロンジン』というブランドが持つ“強み”について
各コレクションに觸れる前に、まずは『ロンジン』とは何モノなのかを見ていこう褥紫〗裕“歴史”、“技術(shù)”髓考、“価格”の3ポイントから部念、その魅力を紐解いていく。
歴史
スイス時計中隨一の長い歴史を持つ重鎮(zhèn)である
前述の通り氨菇、設(shè)立は1832年儡炼。時計産業(yè)の要と言われているスイスでも、特に歴史の古い時計メーカーとして知られている查蓉。1866年にはそれまで自宅で作業(yè)していた時計職人たちを一か所に集めた自社工場を建設(shè)乌询。このとき、街の南を流れていた川右岸の「Les Longines(レ?ロンジン)」と呼ばれる土地に工場を建てたことから豌研、社名も現(xiàn)在の『ロンジン』に妹田。以降唬党、技術(shù)的にも躍進を遂げた『ロンジン』は1878年に世界初のコラムホイール內(nèi)蔵クロノグラフを開発、時計の博覧會で數(shù)々の賞を総なめにし鬼佣、一流ブランドとしての地位を確固たるものとしてきた驶拱。エルヴィス?プレスリー氏をはじめ、かつてはアインシュタイン氏や西郷隆盛氏も愛用していたというのだから歴史の重みを感じずにはいられない沮趣。
技術(shù)
“顔”だけじゃない屯烦。『ロンジン』は時計製造技術(shù)も一級品
長い歴史に裏打ちされた房铭、時計製造技術(shù)。その一端はコンクエストシリーズに見ることができる温眉。例えば缸匪、高精度クォーツウォッチとして名高い「コンクエスト V.H.P.」。年差±5秒という単純な精度だけでなく类溢、磁力や衝撃による針ズレを補正してくれるGPD（ギアポジション探知）システム凌蔬、時差修正を容易に行えるスマートクラウン、長壽命バッテリーにパーペチュアルカレンダーと闯冷、時刻を計時するという使命をあらゆる方向からサポートしている砂心。また、ダイバーズモデルである「ハイドロコンクエスト」では日常生活において十分すぎる30気圧防水を?qū)g現(xiàn)するなど蛇耀、ケースの製造技術(shù)も出色辩诞。元は1881年にホースレースに熱狂する観客のために作り出されたコンクエストだけあり、そのスペックは抜かりない纺涤。
価格
確かなスペックを有する腕時計が译暂、ミドルプライスで手に入る
「名のある腕時計ならきっと高価に違いない」と、思わず引けてしまう物欲を後押ししてくれるプライスも撩炊、『ロンジン』が長く愛される理由の1つだ外永。リアルな30～40代が背伸びをして購入できるプライスレンジがミドルプライス(20萬～50萬円臺)といわれているが、『ロンジン』の腕時計は一部を除いて大半がその範囲內(nèi)に収まっている拧咳。もちろん中の機構(gòu)は信頼の精度と安定した供給を誇るエボーシュメーカー?ETAをベースとしたモノ伯顶。クラシックな見た目に最新鋭のマシンを乗せたハイブリッドな腕時計は、流行廃りを越えて長く愛用できることは間違いない骆膝。
復(fù)刻好きならたまらない祭衩。まずはヘリテージコレクションからピックアップ
昨今まで続く復(fù)刻時計人気の火付け役ともいえる『ロンジン』のヘリテージコレクションでは、サンティミエのミュージアムに陳列されている貴重なタイムピースを復(fù)刻?発表している谭网。例えば汪厨、世界初単獨大西洋無著陸橫斷を成功させたチャールズ?A?リンドバーグ氏の依頼で製作された1931年の「ナビゲーション?ウォッチ(リンドバーグ アワーアングル)」。これはパイロットの経度緯度計算を容易かつ正確にした愉择、當時畫期的な腕時計だった劫乱。ほかにも同社が世界で初めて発明したコラムホイール クロノグラフモデルや织中、當時製造が困難だった全回転式ローターを使用したものなど、「オールドロンジン」と呼ばれ寵愛されてきた古き良き名品ばかりが並ぶ衷戈。とてもぜいたくなコレクションは狭吼、一見の価値ありだ。
モデル1
丸みを帯びた風防がクラシカルな「フラッグシップ」
オリジナルは1957年発表殖妇。日本人の腕にも馴染む38.5mmのケース徑が刁笙、色褪せたようなクリームダイヤルとゴールドのインデックスと調(diào)和してタイムレスな腕時計に仕上がっている。アンティークウォッチを思わせるドーム型風防は谦趣、耐傷加工を施したサファイアクリスタル製疲吸。安価なプラ風防と比べると格段に加工が難しく、高級時計ならではのディテールだ前鹅。ムーブメントの駆動時間はフルで42時間摘悴。
モデル2
コッパー(銅)カラーの文字盤がカジュアルな裝いに馴染む「ヘリテージ1945」
米國の人気ウォッチ?サイトが所有していたアーカイブにヒントを得て製作された、文字通り1945年製造の品舰绘。原型のケース徑は35mmだが蹂喻、ヘリテージコレクションに加わるにあたり需要の高い40mmへとサイズアップがなされた。落ち著いたコッパー(銅)カラーダイヤルに捂寿、ベルトは暖かみのあるヌバックレザーを採用口四。大人のオフの日によく似合う、上品な1本だ秦陋。
モデル3
1960年代のダイバーズウォッチを現(xiàn)代に蘇らせた「レジェンドダイバー」
無駄を削ぎ落とした実用時計として作られた蔓彩、1960年代のダイバーズウォッチをアップデート。2時位置のリューズをまわすことでインナーベゼルが回転する踱侣、男心をくすぐる機能も搭載している粪小。サイズは今回紹介した中ではやや大ぶりな42mmだが、ベゼルを細く絞りケース厚を抑えた形狀ゆえに抡句、著用すると見た目以上にシャープな印象へと帰結(jié)する探膊。レザー、ラバーのストラップも用意されているが待榔、オンオフと使いまわすならエレガントなメッシュタイプがおすすめだ逞壁。
モデル4
ブランド初のダイバーズとして登場した「スキンダイバー」
『ロンジン』のダイバーズウォッチ、というと「レジェンドダイバー」ばかりが取り沙汰されるが锐锣、実は1959年に発表された「スキンダイバー」こそがブランド初のダイバーズとなる腌闯。「レジェンドダイバー」がインナーベゼルであるのに対し雕憔、こちらはオーセンティックな単方向回転ベゼルを採用姿骏。加えて、焼けたような夜行塗料の風合い斤彼、ざらついたブラックダイヤルなど経年変化を再現(xiàn)し分瘦、ヴィンテージウォッチファンも納得のディテールを取り入れている蘸泻。ムーブメントには、COSC取得のL888を搭載嘲玫。
モデル5
ツーカウンタークロノの王道を征く「クロノグラフ1946」
2020年にリリースしたばかりの新作がこちら悦施。名前が示すとおり、1940年代に製造されていたアーカイブが元となっている去团。昨今トレンドの1つとして熱を上げているクラシカルなツーカウンタークロノは抡诞、半世紀以上前のデザインとは思えない新鮮な顔立ちだ。40mm徑の程良いケースに収められたムーブメントは土陪、エクスクルーシブとなるL895.5昼汗。パワーリザーブも実用的な54時間を?qū)g現(xiàn)している。
モデル6
時計玄人が賞賛旺坠。ミリタリークロノのお手本ともいえる「アヴィゲーション ビッグアイ」
お気に入り追加
同作がバーゼルにおいて初披露となったのは乔遮、2017年のこと。1930年代の航空時計を忠実に再現(xiàn)したデザインは會場を訪れた腕時計玄人達の心に刺さり取刃、同年の「ジュネーブ?ウォッチグランプリ」において見事リバイバル賞を受賞している。41mm徑とやや主張のあるサイズながら出刷、人間工學に基づいてセットされたラグにより著用感は申し分ない璧疗。厚みのあるサファイアクリスタル風防、ソリッドバックなど復(fù)刻時計ファンにはたまらないマッシブなディテールも男心を刺激する馁龟。もちろん機能面においてはアップデートが図られており崩侠、同価格帯においては珍しいコラムホイール式のクロノグラフムーブメントを搭載。スタート＆ストップ時の押し心地の上質(zhì)さは坷檩、分かる人には分かるはずだ却音。なお、モデル名の“ビッグアイ”は矢炼、大きめに取られた3時位置の30積算計を指したものだとか系瓢。
モデル7
『ロンジン』の名を一躍有名にした「アワーアングル」
今項冒頭でも觸れた、1931年リリースの“リンドバーグ”モデル句灌。プライスは『ロンジン』の中でも頭1つ抜けているが夷陋、どうモデルが時計史において果たした功績は計り知れない。47.5mmというビッグケースを支えるベゼルの目盛りと針を組み合わせることで瞬時に経緯度を把握できるこの時計は胰锌、現(xiàn)代においてもなお畫期的だ骗绕。大ぶりなオニオンリューズも、パイロットウォッチとしての魅力を存分に発揮している资昧。なお酬土、今作はシースルーバックを採用。こういうモダナイズは格带、大歓迎だ撤缴。
モデル8
半世紀以上前に感じた“モダン”を現(xiàn)代に蘇らせた「ヘリテージ 1969」
鈍い光沢を湛える金屬文字盤に刹枉、印象的なクッションケース。そこに丸く縁取りを施したサファイアクリスタルガラス風防を乗せた「ヘリテージ 1969」は腹泌、1960年代の當時の空気を存分に表現(xiàn)したモデルだ嘶卧。36×36mmの小ぶりなケースに、裝飾性を抑えた刻印を筋目加工の上に施したスナップバックも雰囲気満點だ凉袱。ストラップにはリアルアリゲーターを採用しており芥吟、高級感にも訴求している。
モデル9
鉄道時計としての機能美が宿る「レイルロード」
1960年代実際に使用されていた鉄道時計をモチーフにしたレイルロードの文字盤には专甩、“R.R.(＝Rail Road)”の文字とともにキャリバー名が印字されている钟鸵。ブラックで統(tǒng)一されたシンプルなアラビアインデックスとクリームの文字盤に、陽に焼けたリアルなヴィンテージウォッチの郷愁を感じることができる涤躲。
ヘリテージ以外にも棺耍。『ロンジン』の“伝統(tǒng)”をその身に宿す腕時計たち
『ロンジン』を構(gòu)成するのは种樱、もちろんヘリテージだけではない蒙袍。スポーツウォッチ?コンクエストや機械式時計の殿堂マスターコレクションなど多岐にわたる。今回はその中から嫩挤、4本を厳選して紹介していこう害幅。
モデル1
ポインターデイトにムーンフェイズと、機構(gòu)を満載した「マスターコレクション」
『ロンジン』の「マスターコレクション」は岂昭、ブランドが培ってきたクラシックとエレガンスを機械式時計というジャンルで體現(xiàn)したもの以现。今作は、クロノグラフにポインターデイト约啊、ムーンフェイズ邑遏、デイデイト表示……、と腕時計においておよそ考えうる機能がこれでもかと搭載されている恰矩。これらすべてを40mm徑に収め记盒、あくまでドレスライクに仕上げている手腕は流石といえるだろう。
モデル2
ムーブメントを根幹から見直した「コンクエスト」の自動巻きクロノグラフ
クロノグラフの制御方式には枢里、カム式孽鸡、コラムホイール式の2種類があることはご存じだろうか。一般に栏豺、後者の方が精密な制御が可能であり彬碱、ボタンの押し心地が柔らかいといわれている。かつては50萬円を超える高級クロノグラフウォッチの必須條件といわれていたが奥洼、実は工作技術(shù)が向上した現(xiàn)在においてはコラムホイールも決して手のとどかないモノではない巷疼。こちらの「コンクエスト」も、そんな現(xiàn)代技術(shù)の恩恵を存分に受けたモデル。クロノグラフムーブの名品ETA7750をベースにコラムホイールを搭載嚼沿、さらにブレーキレバーやスプリング估盘、地盤や受けに至るまで徹底的に改良を加えつつ40萬円前後に抑えている。
モデル3
トノー型ケースがエレガンスを語る「エヴィデンツァ」
今モデルがデザインソースとしているのは骡尽、“狂騒の20年代”とも名高い1920年代のカルチャー遣妥。ジャズを初めとする音楽が流行、車が活発に市街地を走り攀细、映畫も盛んに撮られていた文化的運動の最盛期だ箫踩。そこに、『ロンジン』が1911年に発売したオリジナルのトノー型時計のフォルムをオン谭贪。放射狀に広がるギョシェ彫りにスモールセコンド境钟、リーフ針などクラシカルな要素を盛り込みながら新鮮な顔立ちに仕上がっているのは、文化が自由な発展を遂げた1920年代の空気に強く影響を受けているためであろう俭识。
モデル4
始まりの年にオマージュを受けた「1832」
モデル名が示しているのは慨削、創(chuàng)業(yè)年。時刻を知る套媚、ということの重要性が高まってきていた當時を思わせる缚态、原點に立ち返ったかのようなオーセンティックな空気は『ロンジン』にしか醸し出せないものであろう。直線的なカッティングが施されたラグにバーインデックス堤瘤、時刻を示すのにこれ以上無いほどシンプルなドーフィン針など猿规、採用されているディテールは恐ろしいほど実直だ。それでいて宙橱、ムーブメントには『ロンジン』が誇る64時間連続駆動の高機能ムーブL897が搭載。裏蓋は蘸拔、スケルトンにより観賞性を優(yōu)先している师郑。圧倒的にクラシカルな顔と、裏側(cè)から覗く現(xiàn)代的な要素の対比はとてもユニークだ调窍。
実は女性へのギフトとしても喜ばれる『ロンジン』
余談だが宝冕、密かに『ロンジン』は女性人気が高い。特に1997年に発表された「ドルチェヴィータコレクション」は白眉邓萨。女性の手首を意識してデザインされたブレスレット然としたルックスは地梨、悪目立ちもせずスッと馴染んでくれる。ちなみに缔恳、映畫「タイタニック」のローズ役として有名なオスカー女優(yōu)宝剖、ケイト?ウィンスレット氏も2010年以降『ロンジン』のアンバサダーの一員。これまで男物のイメージが強かった『ロンジン』は歉甚、いまやグローバルなユニセックスウォッチブランドとして認知を改めている万细。
ブツ欲が動力源のモノ好き編集部員
牟田神 佑介
「Men’s JOKER」、「STREET JACK」と男性ファッション誌を経た後纸泄、腕時計誌の創(chuàng)刊に攜わり現(xiàn)職赖钞。メンズ誌で7年間ジャンルレスに経験してきた背景を生かし腰素、handbagでは主に腕時計や革靴、バッグなど革小物に関する記事を擔當している雪营。