男の相棒架忌。レッド?ウィングのアイリッシュセッターと吞彤、今一度向き合う

日本人が『レッド?ウィング』の存在を知ったのは1970年代半ばのこと懂盐。當時のアメリカはアウトドアブームの真っ最中であり、若者たちはラガーシャツにブッシュパンツをはき糕档、足元は『レッド?ウィング』の「アイリッシュセッター」を履いたファッションで街と山を行き來していました莉恼。

そのアメリカの若者の著こなしを日本に紹介したのは拌喉、ご存じ『Made in USA カタログ』と『ポパイ』±『Made in USA カタログ』では1975年の第2號の表紙で「アイリッシュセッター」をドカンと登場させ尿背、翌年に創(chuàng)刊した『ポパイ』ではスタイリストの北村勝彥氏が『シエラデザイン』のマウンテンパーカーとともに「アイリッシュセッター」をスタイリングに取り入れたことで、日本の若者にとっても憧れのブーツとなりました捶惜。その後も90年代の渋カジブームをはじめ田藐、常にアメリカンカジュアルの足元を擔ってきた『レッド?ウィング』は、今ではブーツの最重要ブランドとしての地位を確かなものにしています吱七。

「アイリッシュセッター」とは何かを語るために、まずはその歴史についておさらいをしましょう踊餐【按迹「アイリッシュセッター」の前身となったのが、1950年に誕生した#854吝岭。#854は現(xiàn)在の「アイリッシュセッター」と同じくモックトゥの8インチブーツで三痰、ソールにはコード入りのラグソールが使用されていました。その後窜管、1952年に#854の後継モデルにあたる#877が登場散劫。この#877では狩猟時に木の根に引っかかるのを防ぐために、フラットなワンピースタイプのトラクショントレッドソールを採用しており微峰、現(xiàn)在まで続く基本的なスタイルが完成します舷丹。

當時の#877はカリフォルニアのタンナーがセコイアの樹皮を使ってなめしたオロ?ラセットレザーという革をアッパーに使用していました。このオロ?ラセットレザーが猟犬のアイリッシュセッターの毛色と似ていたことから蜓肆、#877の愛稱として「アイリッシュセッター」の名前が使われるようになりました颜凯。1954年にはシュータン裏に“IrishSetterBoot”の文字と猟犬のデザインを盛り込んだタグ（通稱：犬タグ）が縫い込まれ、#877のモデル名として正式にカタログに掲載されています仗扬。

また症概、#877が爆発的な人気を得たことで數(shù)年後には6インチ丈の#875がリリースされるなど派生モデルがいくつも誕生。それらにも犬タグが施されるようになりました早芭。そのため彼城、歴史的な経緯を鑑みると“オロ?ラセット系のレザーをアッパーに使い、犬タグが施されたブーツ”をアイリッシュセッターと呼ぶのが退个、狹義の意味では正解募壕。しかし、會話の中で「アイリッシュセッター」という単語が出た場合は#877か#875を意味するのが一般的语盈。さらに現(xiàn)在の『レッド?ウィング』では舱馅、オロ?ラセット系以外のレザーを使用したモデルも「アイリッシュセッター」として扱われています。本稿ではブランドの定義に従い刀荒、#877や#875に限らず犬タグが施された派生モデルも含めて「アイリッシュセッター」として扱っています代嗤。

モックトゥ?ワンピースソール?赤茶のアッパーという構(gòu)成が干毅、「アイリッシュセッター」の原點にして本流宜猜。その普遍的なデザインはもちろん、今なおハンティング＆ワークという過酷な狀況の中で使われているだけあって硝逢、履き馴染みの良さや耐久性姨拥、防水性の高さもお墨付きです。もちろんそれらのスペックは派生モデルも同様です趴捅。ここでは「アイリッシュセッター」に共通する魅力の秘密を解説します垫毙。

ポイント1

アメリカンワークブーツの特徴が拱绑、非常に合理的な作りを行っているところ。生産効率と履き心地を向上させるグッドイヤーウェルト製法は言うに及ばず丽蝎、さまざまな工夫が1足の中に込められています猎拨。例えば、ちょうど足首が曲がる部分に施されたヒール部分のステッチもその1つ屠阻。これは屈曲部にステッチを施すことで曲がりやすくしつつ红省、ヒールカウンターを正確な位置に縫い留めるためのもの。數(shù)十年以上前の設(shè)計にもかかわらず国觉、既に人間工學に基づいた靴作りを行っていることが伺えます吧恃。実際に履いてみればその他のステッチ部も足の可動域に対応して施されており、生産効率と履き心地を考えながら設(shè)計されていることがわかるでしょう麻诀。

ポイント2

元來はハンティングブーツとして作られただけあって、グッドイヤーウェルト製法に加えてオイルをたっぷりと含んだレザーによって確保される「アイリッシュセッター」の防水性はなかなかのもの蝇闭。雨の日に多少水たまりに足を踏み入れた程度では呻率、靴內(nèi)部まで濡れることはありません。また呻引、意外と役立つのが礼仗、袋狀に縫い込まれたシュータン部分。アッパーとシュータンの切れ目から泥や水の浸入を効果的に防いでくれます逻悠。ただし元践、汚れの溜まりやすい部分でもあるため、メンテナンスの際はしっかりと掃除してあげましょう童谒。

一言で「アイリッシュセッター」の犬タグといっても、1950年代から60年代の“刺繍犬タグ”から惠啄、以降の“白四角犬タグ”慎恒、“半円犬タグ”など任内、製造された年代によってバリエーションはさまざま。それらを後年に復刻したタグまで入り亂れているうえに融柬、年代や輸出地の仕様によっては#877や#875でも犬タグを使ってないモデルも存在するため死嗦、ある意味でややこしくもあり面白くもあるのがこの部分です。また粒氧、タグだけでなくアッパーの色合いやディテールも年代によって異なるため越除、ヴィンテージ市場では人気の年代はプレミアム価格で取り引されています。もしシューズボックスの中で眠っている「アイリッシュセッター」をお持ちであれば外盯、一度チェックしてみてはいかがでしょうか摘盆。

前述の通り饱苟、時代とともにバリエーションが増え孩擂、今では『レッド?ウィング』の代名詞ともなった「アイリッシュセッター」。シェイプや革が異なるモデルが多數(shù)存在するのみならず箱熬、同じ#877系でも生産年度ごとに微妙に異なるカラーを採用するなど类垦、奧が深いのも魅力の1つ。ここではその中から注目のアイテムをご紹介します城须。

1足目

オロ?ラセットレザーを使用した#877は時代を経るにしたがって赤みが強くなり蚤认、1996年に「レッド?ウィング」本社は元のブラウンがかった色味に戻すことに。しかし日本市場では赤みの強い色が好まれたため糕伐、#877から#8877と品番を変えて赤みの強いモデルも存続することになりました砰琢。こちらは2018年に#8877を復刻したモデル。いわば『レッド?ウィング』ブーム真っ最中の#877の色味を再現(xiàn)したモノであり良瞧、おそらく30～40代の読者がイメージしている「アイリッシュセッター」はこの色ではないでしょうか陪汽。

2足目

セコイアの樹皮のタンニンでなめしていた頃のオロ?ラセットレザーは色が安定せず、ロットによって赤茶に近い濃色から黃色味の強いものまでバリエーションが存在していました莺褒。こちらモデルでは#875をベースに掩缓、當時のオロ?ラセットレザーの中でも比較的明るめの色合いに仕上がったものをイメージして再現(xiàn)したゴールドラセット?セコイアをアッパーに使用した#9875。上質(zhì)な光沢とやや硬質(zhì)な銀面が特徴で遵岩、履き込むに従って猟犬の毛並みのような落ち著いた色合いへ変化します你辣。

3足目

『レッド?ウィング』の創(chuàng)業(yè)初期から存在していたチャッカタイプのラウンドトゥブーツですが、1954年にトラクショントレッドソールと犬タグが裝著されたことで「アイリッシュセッター」の仲間入りを果たしました尘执。こちらのモデルではホーソンアビレーンというドライタッチで肉厚なラフアウトスエードをアッパーに使用しており舍哄、ラインアップの中でも特にスニーカーライクな軽さを感じるルックスに仕上がっています。

4足目

いわゆるワークオックスフォードの名前で知られる短靴に犬タグが施されたバージョン誊锭。もともと1954年に#875とともに「アイリッシュセッター」の仲間としてリリースされた歴史あるモデルですが表悬、その後何度も廃盤になった幻のモデルでもあります。ちなみに丧靡、灑落者として知られていたイラストレーターの故?安西水丸氏が「ワークオックスフォードが好きなんですが蟆沫、もう売ってないんですよね……」と雑誌の記事でボヤいたことがきっかけになって復刻に至った籽暇、という裏話も。

5足目

黒アッパーと白ソールの「アイリッシュセッター」は饭庞、當時藤原ヒロシ氏が『フラグメント』の名義で『レッド?ウィング』に別注して爆発的な人気が出たモデル戒悠。90年代の『レッド?ウィング』ブームを知る人にとって懐かしい＆憧れの1足ですが、こちらは同様の仕様でカタログ入りした#9874舟山。安西氏や藤原氏のケースだけでなく绸狐、同ブランドでは日本発信の別注企畫がヒットした場合、後にカタログ入りすることがしばしばあるようです累盗。